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2020.11.24 先生のつぶやき

コロナ対応の冬を迎えるに当たって

今週末、大阪府の新規感染者数が400人を超えた。感染が大幅に拡大している。そんな中、これから本格的に冬を迎えるが、コロナ対策に頭を悩ましているのが実情だ。

コロナ対策と「寒さ」

夏との違いは「寒さ」対策をどうするか。

夏の猛暑は換気を良くするため、教室のドアを常時開放し、教室の窓もかなり広く開けたまま冷房を強めに効かせることで乗り切った。

しかし、冬の寒さはどう凌いだらよいのだろう?

大阪でも朝の最低気温が10℃を切る日が増えてきた。

毎朝、教室の暖房をONにして回るのだが、夏と同じように窓を30センチほど開けておくと、朝の寒気が教室に吹き込んでくる。窓はどの程度開けておくべきか。開けすぎると、窓付近の生徒は寒くなる。しかし、2~3センチでは換気は十分でない。

 

職員会議でしばしば「コロナ対策」が議題に!

職員会議では、しばしばコロナ感染症対策について議論している。生徒用机‣椅子の消毒は必ずしもしなくてもよいのではないか、と言う意見も出た。しかし、本校の教育の特性上、英語レベル別授業や選択制科目があり、複数の生徒が共用するため、やはり消毒を継続することになった。窓については、換気を徹底するため、常に開放する方針が確認された。しかし、一部の教室については窓付近の生徒が極端に寒くなる。この場合、窓の開放の幅をできるだけ小さくし、休み時間などに定期的に窓を開けて換気をすることになった。今後、陽性者が出る可能性が考えられる。しかし、学内でのクラスター発生をどう防ぐのか。職員会議ではいろんな議論をしている。

先日、テレビのニュースを見ていると、対角線上に窓がある場合、窓は5センチ開放するだけで十分な換気ができると報道していた。乾燥を避けるためには、加湿器を併用すると良いとのこと。幸い、本校では加湿器も使用している。

 

「コロナ対策」と「心配なこと」

今朝も大阪市の気温は10度を下回った。まだ寒さに慣れていないせいか、かなり寒く感じる。寒さの中、今朝も校舎の入り口で教員3名が登校してくる生徒の検温と手指の消毒を行っていた。暖房をONにしているが、自動ドアが開くたびに寒気に入り込む。正直、生徒の健康も、教職員の健康も心配だ。

これだけ感染が拡大してくると、どんなに注意していても、いつ誰が感染するかわからない。「自分が感染するのではないか」、「家族が感染するのではないか」という不安を抱くのは自然なことだと思う。しかし、注意しなければならないことは、もし誰かが感染しても絶対に差別につながらないようにすること。

今朝の毎日新聞のオピニオン欄に「そこが聞きたい―ハンセン病とコロナ差別-」というタイトルで弁護士の徳田靖之氏へのインタビュー記事が載っていた。

差別的な行動をしている人たちには、次の4つの考え方があると言う。

差別している人の4つの論理

1)感染者、その家族は社会に害をなす迷惑な存在だから排除されても仕方ないという論理

2)感染したのは自己責任であるという考え方

3)自分は感染することがないという前提

4)「自分は正義の行動をしている」という確信

1958年のこと。同氏によれば、ハンセン病患者の子どもが無感染であると確認されているにもかかわらず、熊本市内の小学校で入学拒否運動を展開したのは、その地域の母親たちであったと言う。「わが子が、万一、ハンセン病に感染したら」という不安が差別的行動を駆り立てたと言うのだ。

もし感染した場合、その人自身が体調的にもしんどい思いをするばかりでなく、もしかしたら自分が感染源になって周りの人たちに迷惑をかけてしまうのではないかと精神的にも苦しむ。場合によっては「いのち」のリスクもある。このうえ、差別的な言動に触れたら、どうなるのか。自分が排除されていると感じるときの精神的な打撃はいかほどか。

コロナ感染が急増しており、誰もが感染する可能性がある。誰もが不安を覚えるだろう。こんな時だから、絶対に差別があってはならないことを肝に銘じなければならない。

教育現場では、生徒の体調に配慮しつつ、コロナ感染防止に努め続けている。これから寒さが一段と厳しくなってくる。今年の冬はコロナ感染防止のため、頭を悩ましながら換気と寒さ対策のバランスに留意し、生徒たちの心のケアにも心を配り続ける冬になりそうだ。

 

教頭(国際高等課程長) 滝本武

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