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2012.10.25

帰国子女の教育事情ー本校の教育が「日本比較文化学会」で取り上げられましたー

「日本比較文化学会関西支部10月例会」ー帰国子女の教育事情―

10月20日に同志社大学・今出川キャンパスで行われた「日本比較文化学会関西支部10月例会」で本校の教育が取り上げられました。
今回は、『帰国子女(生徒)の教育事情』というテーマの研究発表で、『―関西インターナショナルハイスクールを例にして―』という副題がつけられています。
本校は、日本の中学校卒業生の割合が多い学校ですが、それでも20%弱の生徒は海外からの帰国生です。発表者は、天王寺学館高校・英語科の福田和義先生でした。

インターナショナルスクール教育を取り上げた福田先生の調査

実は、今回の研究発表のため福田先生が本校の授業を見学されました。また、生徒たちにインタビューやアンケート調査を実施されました。6月中旬~7月上旬のことです。
福田先生は外国人教員の英語の授業を見学されたとき、生徒同士も英語が飛び交う授業風景を目の当たりにして驚いておられました。一般の高校の場合、先生が教室の前で板書しながら一方的に説明し、時に質問したりしながら授業を進めていきますが、本校では英語でディスカッションしながら授業が進められるからです。
K.I.H.S.の特徴―英語が伸びる理由―

オールイングリッシュの授業と生徒たちの様子

福田先生の研究発表の論文の言葉には次のように記されています。
「木曜日の1時限から3時限目のSpeaking(Burgess先生)、TOEIC/TOEFL(Perks先生)、総合英語(Holca先生)のレベル5(一番上のクラスで生徒は11名)の授業を7月上旬に見学させてもらいました。オールイングリッシュで、非常に速度が速く、宿題も多い感じがしました。しかし生徒たちは授業を楽しんでいて、理解も深い感じでした。」

帰国生徒と一般生徒を融合ー学年とクラスを取り払い、習熟度別クラスによる英語授業―

「アンケートの内容から、帰国生徒と一緒にそうでない生徒たちも、ネイティブの先生のオールイングリッシュの授業になんとか果敢に取り組んでいる様子が伺えました。KI(本校のこと)の最大の課題は、英語力に大きな開きがある両方の生徒たちへの授業をどのようにするかです。この点、学校側は思い切って学年・クラスの枠を完全に取り払って、すべての「英語」の授業を5段階のレベルに分けて実施しています。しかし、特に印象的だったのは、帰国生徒とそうでない生徒たち両方の間にはかなりの差があっても、反目するのではなく、かえってよく協力し合っている点です。海外経験のない生徒たちの多数が「生きた英語を学べる」 「いろんな国の文化などを聞けたりできる」など帰国生徒と一緒に学ぶメリットを回答しています。また、KIの生徒間の会話で一番多かった回答は「授業―英語や宿題―の話」でした。1年生全員が入学後間もない7月下旬から2週間のオーストラリア夏季ホームステイに参加することが、友人・クラス形成に極めて役立っていると思われます。」

日本比較文化学会 関西支部10月例会のプログラム

ご参考に当日のプログラムを下記に記させていただきます。
Ⅰ 研究発表
福田和義(天王寺学館高等学校)
「帰国子女(生徒)の教育事情―関西インターナショナルハイスクールを例にして―」
藤田昌志(三重大学国際交流センター)
「日本の中国観研究(2011.9―2012.8)」
Ⅱ 講演
野口周一先生(ソニー学園湘北短期大学教授、総合歴史教育研究会会長)
「歴史教育の岐路」
今日、福田先生が報告に来られました。福田先生の研究発表への関心が高く、質疑応答の時間には福田先生に対して質問が集中したとおっしゃっていました。
「セミ・イマ―ジョン英語教育」という言葉を発案し、本校の教育課程を現在の形に改訂した者として、本校の教育が、英語教育研究の題材に採用され、参加された研究者の皆さんに高い関心をいただけたことを嬉しく思います。
教育主任  滝本 武
【本校では英語は習熟度別クラス編成で実施していますので、下位レベルの授業は生徒の英語力に応じて、ゆっくりと進めていくことを申し添えさせていただきます。】
↓本校HPはこちら

K.I.H.S.
関西インターナショナルハイスクール
〒545-00053 大阪市阿倍野区松崎町2-9-36
帰国生・帰国子女受け入れ校
高校卒業資格(姉妹校・天王寺学館高校との併修制度による)

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