ブログ

2020.11.27 先生のつぶやき

自己肯定感について

自己肯定感(self-esteem)について考えたことがありますか?あなたは自分のことを愛していますか?

私は小さい頃から,自己肯定感の低い子どもでした。生育環境や性格に由来するものではありますが,昔から不器用で自己表現もうまくできず,「何か成果を出さないと認めてもらえない」「自分になんて価値はない」『他人の評価=自分の価値』であると考えていました。他人の目や他人の評価を気にして,無理して人付き合いをしていたこともあります。

日本は,世界から見ても自己肯定感の低い国だと言われています。日本人特有の「謙遜」の文化も関係しているかもしれませんが,「自分なんてダメだ」と考えてしまう若者が多く,とても残念に思います。

かくいう私も本当に自分の存在を認められるようになったのは,つい最近のことです。ある程度年を重ねるにつれて自己嫌悪は改善しつつありましたが,いまだに自分の中にある強い承認欲求を感じていました。自分自身のパーソナリティと向き合うために,「機能不全家族」や「自己肯定感」についての本を読んだり,インターネットで情報収集をしました。

それまでは何か成果を出さないと自分に価値はない,と決めつけていましたが,『生まれてきた瞬間から価値のある存在』だということを30歳を過ぎてやっと理解することが出来,これまで他人の評価ばかりを求めていた自分を解放することが出来ました。また,同じように悩んでいる人が数多く存在しているということに驚きと不思議な安堵感を覚えました。

少し教職から離れていた私は,「自己肯定感の大切さを自分の経験も踏まえて、将来を担う若い世代に伝えたい」という思いを持って,今年からここKIで教職に復帰しました。

 

HRのテーマ ”How can I build my self-esteem?”

そのメッセージを伝えられるチャンスが,幸運にも先日巡って来ました。1年生各クラスに”How can I build my self-esteem?(どうやって自己肯定感を高められるか)”というテーマで,自身の経験も交えてHRを行いました。自分のことが大好きな生徒,自分に自信が持てない生徒,様々な考えを持つ生徒がいる中,色々な反応が返ってきました。感想の中には,「自分も将来教師になって,同じことを生徒たちに伝えたい」「自分の今置かれている状況をどうしたらいいですか?」といった意見や相談などもありました。教師として私が伝えたかったメッセージを,それぞれが真剣に受け取ってくれたと思います。

承認欲求は必ずしも悪いものではなく,自分を高めたり努力する原動力にもなります。しかし,自分を認めてあげる素地や基盤もなく他人の評価ばかりを求めていると,かつての私のようにどれだけ成果を出しても自分を認められず,決して満足することのない”承認欲求のゾンビ” になってしまいます。

HRでも伝えたことですが,生まれた子どもに対して家族が望むのは,「健やかに育ってほしい」ということだけ。それが年を重ねるごとに競争社会に揉まれ,「頭が良くなくてはならない」「スポーツが出来なくてはならない」「長所を持ち,価値ある存在でいなければいけない」というプレッシャーが常に付いて回り,自分の出来ないことや短所ばかりにフォーカスを当ててしまいます。

自分の価値は他人の評価や社会的地位,友達の多さやSNS上での「いいね!」の数ではかるものではなく,それぞれが生まれた時からこの世にたった一人しかいない最強で最高のオンリーワンの存在です。まずはその事実を認めた上で自分を愛してあげて,自分にしか持てない個性や長所を伸ばして自己実現していってください。心配いりません。皆さんはこの世に生まれた時から素晴らしい存在です。

せっかく「自分という存在」で生を受けた一度きりの人生。人生最期の日に自分が「自分として生まれて良かった。」と思える人生を送っていってほしいと思います。

Ama tu vida, ama tu mismo. Eres especial y único/a en el mundo.

(Love your life, love yourself. You are special and the only one in the world.)

 

1年生担任、英語科教員

種中 恵

 

↓本校HPはこちら

大阪のインターナショナルスクール
大阪のインターナショナルスクールなら

関西インターナショナルハイスクール
〒545-00053 大阪市阿倍野区松崎町2-9-36
帰国生・帰国子女受け入れ校
高校卒業資格(2019年4月より併修先の高校がNHK学園高等学校から科学技術高等学校に変わりました。)

タグ一覧