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2022.08.22 先生のつぶやき

グローバルな視点とコミュニケーション能力

リクルート社では、内閣府が定義するソサイエティ5.0の現代社会を踏まえ、「時代が求める人材像」について東証一部上場企業900社と全国4年生大学749校を対象にアンケート調査を行いました。それによると、企業・大学が欲しい人材の人間力は「主体性」「積極性」「グローバルな視点」で、備えておいて欲しい知識・能力のトップは「コミュニケーション力」でした。

 

急激な社会情勢の変化に対応するためには、他者の多様性を受け入れ、そこから新たな洞察を得て、自分にとって新しい課題に適用できる」といった、「共創」によって自らを進化させる能力が求められていると言えます。

 

 

KIHSが目指す「グローバルな人材育成」とは、「英語ができること」だけではないことはご周知のとおりです。「グローバルな視点」とは狭義では、日本に限らず多様な国々の言語、文化、考え方を理解することです。心理学的にはもっと広義に捉えられ、自分と違うもの(「自分以外の他者」)を理解し、「違い」を受け入れながらコミュニケーションを図ることです。

 

日本は海に囲まれた島国で他の国々のように大陸続きではありません。それゆえ独特な文化や考え方をもっているとして、心理学上興味深い研究対象となっています。

なかでも日本人特有の傾向として「自己認識の強さ」と「他者認識の弱さ」が挙げられています。「自己認識」とは、自分が人からどう見られるか、を気にする傾向であり、「他者認識」は他の人はどう見ているかについての興味です。つまり、日本人は「他者から見た自分」は気にするが、「他者が何を見て何を考えているか」についてはあまり気にしないということです。

 

日本人に限らず、人間は基本的に主観(自分の思い込み)でしか物事を捕らえることができないという事実があり、そして多くの人が「他人も自分と同じ視点でものを見ている」と思い込んでいます。

 

しかし実際には他の人は自分とはまったく違う視点でものをみていたりするものです。

 

たとえば、誰かが大勢の人の前で笑われている場面では「本人はきっと恥ずかしい思いをしていることだろう」と思う人もいれば、「すごい!うけてるから喜んでいる」と思う人もいるのではないでしょうか。

 

また、子供が言うことを聞かない、という状態では「どうして親の言うことをきかないの?」とイライラしてしまう親御さんもいれば、病弱のお子さんをお持ちの親御さんは「親の言うことをきかないくらい、元気でいてくれればいい」と思うのではないでしょうか。

 

 

人の考えは、その人が生きてきた経験によって作られるものです。

それぞれ独自の体験をし、考え方も異なります。

誰一人として、同じということはありません。

「自分の考えていることは自分しか知らないし、自分以外の人の事はわからない・・・」と思う方が自然です。

ですから日常の中ではあえて「他の人(自分と立場の違う人)はどう考える(感じる)んだろう?」ということを

一度たちどまって考えてみることが必要なのではないでしょうか。

 

 

「自分が何をしたいのか」「相手に何をしてもらいたいか」よりも「相手は何を求めているか」「何をほしがっているか」と相手の立場になって考えてみること。相手の立場からものを見る大切さを実感してみてください。

 

それがコミュニケーション能力を育てる第一歩となります。

 

コミュニケーション能力とは「相手の立場からものを見れる能力」だ、と日頃の生徒たちとのふれあいを通じて実感しています。

 

スクールカウンセラー 島田 真弓

 

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