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2019.04.17 先生のつぶやき

2019年新任教員のご紹介!森川先生編 ”はじめまして!”

今年の1月から関西インターナショナルハイスクールに勤務する森川与志夫です。

約30年間、公立中学校・高等学校で教員として勤務した後、国際協力関係の仕事に関わり、数年ぶりに「学校」という場に戻ってきました。

これまで様々な生徒と出会い関わってきましたが、よく生徒から「なんで勉強せなあかんの。勉強したら何か得することがあるんか?」と聞かれることがありました。「就職や進学に必要やから。」とその場では何とか答えましたが、内心では「なぜ勉強しなければあかんねやろか?」と自問していました。

夜間中学校にて・・・

あるとき、夜間中学校の生徒と交流する機会がありました。夜間中学とは、「中学校夜間学級」と言い、全国に30校以上あります。様々な事情で義務教育を受ける機会がなかった人々が学ぶ場です。交流していた夜間中学では、70代で学び直しをする生徒、中国残留邦人として来日した生徒、両親とともにブラジルから来日した生徒等、国籍も世代も多様な生徒が学んでいました。

私によく話しかけてくれた70代の山田さん(仮称)は、家庭の事情で小学校・中学校に行く機会がなく、60代になって夜間中学で学ぶことになったそうです。山田さんは、暑い日も寒い日も、自宅から自転車で毎日夜間中学に通っていました。「なかなか漢字覚えられへんなあ。」と言いながら、授業終了後も「先生、これはどんな意味ですか。」と質問しながら懸命にノートに書きとる姿に、うまく表現できないほどの感動を覚えました。

「若いころとちがって自転車で来るのはしんどいけど、夜間中学は休まへん。」と山田さんが嬉しそうに語っていた姿が印象的でした。

なぜ人は学ぶのか

なぜ人は学ぶのか、山田さんの姿から、自分なりにたどり着いた答えがあります。人はそれぞれの人生を送る中で、予想もしない様々な問題に直面することもあります。直面する現実の世界を変えることは簡単なことではありません。しかしながら、その世界を違う視点で捉えるとき、解決が難しいと思っていた問題に新たな解決の方途が見えてくることもあります。学ぶことは、この「世界の見方を変えること」ではないかと思います。世界の見方が変われば、自分の行動も変わり、自分の行動が変われば、新たな人との出会いがあります。

新たな出会いによって、その後の人生が変わっていくことも多いのです。私もこれまでの仕事を通して様々な出会いがあり、その出会いが後の人生の流れに大きな影響を与えていったように思います。

今、人が学ぶことの意義について次のように考えています。

人は自分の人生を変えるために学ぶのではないか、そして「どんなことを学んだのか」ということよりも、「だれとどのように学んだのか」ということが人生にとっては大きな意味を持つことなのではないかと。

みなさんとKIHSで一緒に学ぶ機会を持つことができたことを大変うれしく思います。どうかよろしくお願いします。

 

1年2組担任 社会科教員 森川 与志夫

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