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『国際化教育、共生社会が抱える課題』第17回京都メディア懇話会月例研究会より

院生時代の指導教官が月一で開催している「京都メディア懇話会」という勉強会に折を見て参加しています。

現同志社大学4回生、2回生の本校卒業生が見学に来たこともあります。

議題は「メディアと地域社会」に関する内容が多いのですが、以下の2月の議題内容がインターナショナルハイスクールに勤務する私に関係が深く、また発言する機会も頂けたので、ご紹介したいと思います。(アップするのが遅くなりました。すみません)

演題:共生社会の本質をメデイアはどこまで伝えられるか~今私たちがすべき事~

日時:2017年2月23日(木)18:30-20:00

場所:同志社大学寒梅館6F会議室

発題者:中堂規久子

「海外にルーツを持ち、幼少期に来日した少年少女の多くは学習言語が覚束ないケースが多く、そうした渡日児童生徒への手厚い学習ケアこそが共生社会の喫緊の課題である」

京都市内の小中学校で日本語指導ボランテイアとして長年活動されている先生からの問題提起は、大いに共感できるものでした。グローバル化の進展に伴い、海外にルーツを持つ児童生徒と日本人子女が共に同じ教室で学ぶ機会は急増しています。言語的に、社会的に圧倒的なハンディを抱えているのは前者であり、教育の機会均等の為の政策が必要であるのですが、「実際の公教育の現場は多忙に次ぐ多忙で、ボランティアにその負担の多くを任せっぱなしにしているのが現状である。」と今回の報告でその実態を知ることが出来ました。

行政が消極的な対応しか出来ない理由としては、

①多言語に対応できる専任教員を雇用する場合の「費用的な問題

②現実の学校現場は学習障害や不登校といった他にも手厚いケアが必要な生徒が大勢いて、その対応に手一杯であるという「現場の多忙感

が挙げられました。また、会議では他にも義務教育終了後の進学時に発生する「中高接続問題」により、外国籍の子女は中学校卒業後の受け皿を失うケースが多いということも報告されました。

思春期のアイデンティティの危機を迎えた彼ら彼女らは、家庭環境の複雑さ、経済的な困難さも相まって、反社会的な行動に走ることが少なくなく、それらが複合的に入り交じり共生社会の実現を阻んでいるのだ、と。幾度となく困難な現場やトラブルを経験されてきた先生の口からは、日本がグローバル化時代を迎えるための課題が語られていたように思います。

お話を拝聴しながら「中高接続問題」に関しては、「本来であれば本校(KIHS)のような存在の学校が受け皿になることが出来れば良いのだろう」と感じました。本校の実施するセミ・イマージョン教育(普通科目を母国語以外の言語で学ぶ教育法)が広く普及し、日本人子女と渡日児童生徒が共に学ぶことがもっと容易になることを願います。

全国的な政策として、国際化教育、グローバル化人材の育成、といった目標が掲げられておりますが、それは日本人子女に英語を重点的に教え込む、といった内容に留まるものではないと今回の報告を聞いて感じました。非英語圏を含む様々なバックグラウンドを持った人々を受け入れ、共生していく。双方に歩み寄る姿勢が必要で、その架け橋となる言語をどう教え、伝えていくかをこれからも考えていかねばなりません。

 

社会科 松尾 祐樹

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